Beautiful Wild Soul

東京で働いていたところから、偶然、馬を知り仕事を辞め馬を追いかけ点々とする日々に。東京(12年)→与那国島(1年)→カナダ(半年)→北海道(3か月)→St Vincentへ!(今ココ)Liberty Trainingを学ぶため馬の学校の研修生に。#LibertyTraining #CarolynResnickMethod #StVincent #HorseSchool #WorkingStudent

St Vincent! Day 91

シュノーケル中にウニのとげが刺さって歩けなくなり、その3日後に2時間かけて島一番の大きなタウンにある病院に行った。

2時間待ってやっと受付に話しかけることができた。

事情を話すと、「暖かいお湯に足を浸けて」と言われた。

へ!?って感じで、「やったけど、とげが取れない」と言うと、

「それが私たちがやることだから。」(That's what we do)と言われた。

これ以上話しかけるなオーラ全開だった。痛みの中、やっと病院までやってきて、医者にさえ会わせてもらえない。

ここじゃだめだと思い、Private Doctorを探して会いに行くことにした。どこに病院があって、どうやってそこまでいけばいいのか、歩けないのに行って診てもらえるのか、すべてを聞いて調べなければいけなかった。聞かれるのさえ、嫌がっている相手から情報を取らなければいけない。ちょっと待ってと言われ永遠に待たされる。

 

一番きつかったのは、受付や看護師、医者、病院から感じた無言のメッセージだった。

私が感じたメッセージはこうだ。

「あなたがどんなに緊急でも、どんな痛みの中にあっても、どんな大変な状況でもそれは私の問題じゃない。私の責任じゃない。私の仕事じゃない。」

つまり、こうだ。

「I don't care about you」

 

私は体が動かず、絶望的に助けを必要としていて、その状況でこれを言われるのはきつかった。(実際に言葉では言われていないが、私はそのメッセージを感じていた。)

私は大したことないけがだが、一緒に行ったドイツ人の女の子は骨が折れているかもしれず、足の中にガラス片が入っているかもしれず、発熱していて、かなり緊急だった。その子に対しても同じ対応だった。

 

この時、一緒についてきてくれていた子がいた。フランチェスコ(イタリア出身)。

自分の時間とお金を使って私達を病院に連れてきて、まずどこに行けばいいのか、だれに話せばいいのか、窓口で対応したり、帰りのタクシーを準備したりしてくれていた。「優しいね、ありがとう」といって、「どうしてタウンに用がないのについてきてくれたの?」と聞いたら、彼はこの島に入国直後に死にかけていたことが分かった。

彼はこの国に入国した2日後くらいから、おなかの調子がおかしかった。周囲にそれを訴えるが、大丈夫、大丈夫と言われそのまま放置した。どんどん具合が悪くなり、周囲の制止を振り切り、まだ島のことは何も分からないのに、たった一人でタウンまでやってきて病院に行った。病院で訴えるが2日間待たされた。彼は盲腸だったが、この時点で通常の治療を受けるには既に手遅れになっていた。バルバドスまで緊急搬送するには時間がなく、緊急手術が必要だった。「私はこの手術で死ぬかもしれないが、自分の責任と意思でこの手術を受ける」と書かれた誓約書にサインし、経験のない医者に身を任せた。

彼がどれほど怖かったか、体がつらかったか、心細かったか、だれかそばにいてほしかっただろう。

「だから僕は、病院でどうやって話せばいいか知っている。君たちがどれほど心細い気持ちでいるかも。だからついてきた。」と言っていた。

彼の忍耐と強さは彼の経験からくるものだった。彼はこの島に来る前にシリアとイラクの国境で人道支援活動をしていたそうだ。

「そこではね、理不尽な理由で本当に人が死んでいくんだ。」

彼がそこで何を見たのか、私には想像しようとしても想像しきれない。。。

 

彼がいてくれて本当に心強かった。絶望的に助けを必要としていて不安なときにそばにいてくれた。あなたをほおっておかないと全身で言ってくれていた。

誰もこの日彼がやったことを知る人はいないだろう。私と一緒に来たパウラ(ドイツ出身)だけだ。

誰にも知られず、だれにも感謝されなくても、彼はそれをやったんだ。

医者が以前入院していてまた病院に来ているフランチェスコを見て「君はこの島を楽しみに来たのか、それとも病院を楽しみに来たのか、どっちだ??」と冗談を言って一緒に笑っている彼を見て本当にすごいなっと思った。

 

待合室で待っている間に、自分が人生で何をすべきか考えていた。でも自分の人生の目的を考えられるなんて私はまだまだ恵まれている。世界にはそんなこと考えることなんて到底できなくて、どうして生まれてきたんだろうっていうような理不尽な死をむかえる人たちがたくさんいる。

 

この日経験したことを一生忘れないでいたいと思う。そしてフランチェスコがやったことも。彼がしたことと同じことをしたいと思う。

絶対的に助けを必要としている人のそばにいる人でいたいと思う。